1.CIOの必要性
BPR(BusinessProcess Reengineering)を伴ってITを戦略的に活用しようとする場合、CIOは欠かすことができない人材です。なぜなら、経営戦略(方針)と整合性のあるIT戦略を立案し、ITを活用したあるべき業務モデルや業務プロセスを定義でき、またITに基づいた経営戦略(方針)の提案や部門間調整をすることが求められますが、CIOは正にその役割を担う人材であると言えます。
CIOは更に、適切なIT投資コストの維持やベンダコントロールなどを行うとともに、システムの構築/運用において院内を意志統一するけん引役でなければなりません。
2.院内コンセンサスの醸成
部門を結ぶシステムを導入する場合、導入目的と何をどう改善するべきかを明確にし、院内のコンセンサスを統一することが重要です。
これができないと、要件定義の議論はかみ合わず、この状態で本番稼働したあげくには、システムを利用しない職員がでてきてしまいます。
各職員の問題意識や意見を吸い上げ、これらをリーダーとなる中間管理職の方々が調査・分析を行い、本質の問題・課題を明確にして、対応・解決策を検討することも1つの方法です。
そうすることで、職員の問題に対する解決意識、気づきの認識を高めることができ、職員相互の横の連携が密になり協調性が増します。そして、医療組織としての団結力とコミュニケーション力が強化され、システム導入に向けた職員全員の方向性を一致させることができることでしょう。
3.なぜ、IT化に踏み切れないのか → 投資効果を得るIT導入をするには?
IT導入にあたって、よく投資(費用)対効果を計ることが必要だと考えておられる方々がいらっしゃいます。
しかし、どうやって投資(費用)対効果を計るのでしょうか?システム導入には、開発・導入に関わる初期コストの他に運用・保守に関するランニングコストがそのシステムを利用している限り必要ですし、これらに関わる人件費も加味しなければなりません。また、システム導入による紙代やトナー代の増減費、更にそのシステムで、導入前から保有していたハードやネットワークを利用した場合のコストをどうとらえるのでしょうか。
そうです。投資(費用)対効果を正確に計ることは不可能なのです。では、何を指標にしてIT導入の判断をすればいいのでしょうか。それは”IT投資マネジメント”を行い、投資に対する判断(評価)をすることをお勧めします。”IT投資マネジメント”とは、簡単に言いますと、IT導入をすることで何がどの位変るのか、これをバランスト・スコアカードの戦略マップを元にしてアクションプランを作成し、この中に記したKPI(業績評価指標)・KGI(重要目標達成指標)を達成をするために、この投資をしましょうという合意形成のアプローチなのです。
但し、掲げたKPI・KGIが達成できるかは、企画書作成後、調達完了時、設計完了時など開発の途中で、また運用開始後と各フェーズで評価を行い、達成できない(できそうにもない)場合は、その都度改善策を施すというマネジメントサイクルを回すことが求められます。
4.自院に有効かつ適合した情報システムを導入するには
パッケージソフトを導入する場合、導入候補のものと同じバージョンの導入実績に関する情報を収集し、十分検討して下さい。
また、可能ならは自院と同規模の病院でそのパッケージソフトを導入しているところを見学し、システム化の範囲を把握した上で、その導入メリット・デメリットを聞き出して参考にして下さい。
5.サービスレベルを維持しながらトラブルを防ぎ、安定稼働を維持するには?
受入れテスト(リハーサル)には積極的に参加し、実践を想定した様々なパターンでシステムを操作して下さい。そこで、何か疑問や問題が発生した場合は、院内のプロジェクトメンバーに止まらず、コンサルタントやベンダSEを巻き込んで相談することが必要です。
また、頑健性のあるシステムを実現することはもちろんですが、万が一に備えて、データを冗長化することも検討した方がいいでしょう。
6.情報システムの安全管理には何が必要か?
情報システムに対しては、不必要な閲覧、更新、情報の持ち出し等を防ぐため、アクセス制限、アクセス監視(必要により)、ログの取得が求められます。また、適切な運用管理体制の構築とともに、運用管理規程(安全面を含む)や情報セキュリティ基本方針、個人情報保護基本方針を策定し、これらを院内従業者(派遣・パート含む)へ周知・教育し、適切な運用を行い、運用状況を定期的にチェックをして問題があれば改善する仕組みを整備することが必要です。

