どういう病院にしたいのか(事業戦略/計画)を明確にした上で、IT企画/戦略を策定する必要があります。
例えば、療養病床に転換するのであれば、電子カルテに長期療養患者でも容易に検索および出力(画面・紙)ができる機能やリハビリ部門のシステムが必要になります。
これがなければ、成功はあり得ません。以下は具体例です。
システム化の範囲を決めるには、施設全体において「機能」「範囲」「予算」を加味した上で、調整を行うバランス感覚が必要になります。また、複数システムを導入する場合は、同一ベンダとするのか、連携が保証されている範囲で検討するのか、それとも、将来の拡張性を考慮してIHEに基づいた構成とするのかを検討します。
部門ごとに現状の業務プロセスフローを患者導線に合わせた一連の流れで作成し、これを元に、システム導入後の業務プロセスフローを描きます。そして、効率化される部分(無くなる業務プロセス)、医療安全度の向上といった付加価値が増す部分などを明確にしておくことで、職員のシステム利用や導入効果に関する理解が得やすくなります。
ベンダロックイン(ある特定のベンダに依存することで様々な弊害を生むこと)を回避し、特に部門システムにおいては、自由度・拡張性を考慮して下さい。
また、他システム・モダリティとの連携仕様は標準規格での連携を採用し、システム導入ベンダとの契約においては、標準的形式でデータ出力ができることを盛り込んで下さい。
部門を結ぶシステムと部門システムとで、操作性が異なると、習得するのに時間がかかるのみならず、様々なシステムにかかわる医師にとっては大きな負担を強いることになってしまうので、注意が必要です。
運用を開始して時間が経過した場合や1検査データが著しく増大する傾向もあり、サーバの性能だけでなく、ネットワーク構成、クライアント性能、データの圧縮・伸展方式など、様々な点で工夫が必要です。
導入システムに対しては、機能の豊富さよりも堅牢さ、高レスポンスを求める方が利用者満足度を高めることになります。
ベンダへ的確に要件(システムに関する機能・非機能要件、ハードウェア・ネットワークに関する要件等)を伝えることが重要です。そのためには、RFP(提案要求書)を作成することが必須ですが、このRFPに対するベンダからの提案とベンダ自身を評価する基準・ノウハウを確立することがポイントになります。
特定のITベンダに依存したり、ITベンダに丸投げをしてしまうと、自院に最適なITソリューションを選定することができなくなり、高い調達・運用・保守コストが強いられる可能性もありますので注意が必要です。
つまり、医療機関自身が複数のベンダをうまくコントロールし、最適なIT製品/サービス、モダリティを調達して病院情報システムを構築するという姿勢が必要となります。
移行対象データと移行対象範囲(期間)を事前に計画しておく必要があります。特に、予約データや旧システムで登録しており新システムで実施予定のオーダデータ、過去の処方データの移行には漏れがないよう、完全な移行ができるか注意が必要です。
診療情報の電子保存に関する3原則である真正性・見読性・保存性を確保することが必要不可欠となります。また、病院情報システムは患者の診療情報という極めて機微な情報を扱うため、非常に機密性の高いシステムです。
従って、その更新・閲覧を関係職員のみに限定する必要があるため、認証とアクセス権限、及びアクセスログの取得とチェックを行わなければなりません。
ID・パスワードによる利用者登録をする際、適切なアクセス権限を与え、利用者は自分のIDでシステムにログインすること。また、誰が、いつ、どの端末から、どの患者の、どのような情報にアクセスしたかが分かるアクセスログを記録し、不正アクセスへの心理的な抑止効果と情報漏えいの追跡に利用できる仕組みを構築し、定期的にチェックすることが求められます。
